そのようにファッションセンターしまむらの強みのひとつには、人生経験が豊富なベテラン風の店員さんが多いということがありますが、それは、しまむらには主婦がたくさん採用されているという背景があります。実際のところ、しまむらの全社員(正社員+パート社員*M社員)の80%以上は主婦をメインにしたパート社員で占められているそうです。
ファッションセンターしまむらは全国に1300店舗以上があり、そのほとんどの店舗は1人の店長と10人ほどのパート社員(M社員)から構成されています。なかでもファッションセンターしまむらの社員の80%以上を占めるパート社員(M社員)は、子育てと仕事を両立する主婦たちを想定した職種です。それだけに、ファッションセンターしまむらでは、子育てをする主婦たちが仕事と家庭を両立しているケースがほとんどだったりします。
それだけしまむらは、主婦たちの力を高く評価しているのです。結婚してフルタイムでは働けないけれど働きたい優秀な主婦たちを多くしまむらはM社員(パート社員)として採用しているのです。なかには、結婚前に都心のアパレル専門店や百貨店、デパートなどで働いた経験があるアパレル業の経験者も少なくないといいます。
なお、ファッションセンターしまむらの各店舗のトップである店長ですが、大学新卒で(株)しまむらに入社した正社員が店長になっていることもありますが、パート社員(M社員)出身の店長というケースも多いそうです。
そのように主婦たちが大活躍しているファッションセンターしまむらは、主婦メインで運営されているだけに、他のアパレル専門店にはないさまざまな利点があらわれています。たとえば、ファッションセンターしまむらの客層は20代後半〜40代の女性ですが、それはファッションセンターしまむらのM社員たちの年齢層とぴったり重なり合うということです。
年齢が近ければ、消費者がどのような商品を望んでいるか、どのようなサービスを望んでいるかなど、ファッションセンターしまむらのスタッフは、消費者視点で我が身と重ね合わせて考えることができるというわけです。たとえば、子育てが初めてでどんな子供服を買っていいか分からずファションセンターしまむらの店員さんに聞けば「私が子育てをしたときはですね・・(後略)」と自身の主婦として経験した話を交えながら、消費者にアドバイスをすることができるのです。消費者からしても、これ以上、有能で信頼できる従業員はいないといえるでしょう