ファッションセンターしまむらは、国内の衣料専門店のなかで現在、ユニクロに次ぐ全国2位の売り上げを誇る洋服店にまで成長しました。なぜそこまでファッションセンターしまむらが躍進したかというと、そのひとつは独自のアイデアで「他社に真似できない基盤」をいち早く確立したことが挙げられます。
というのは、ファッションセンターしまむらは、店舗開発、流通、不動産、在庫管理など本来専門業者に委託するところを、自分たち独自のアイデアを形にすることで、利益をあげる仕組みをつくりあげてしまったのです。
たとえば、ファッションセンターしまむらのつくりあげた「コントラー制」と呼ばれるシステムは、、商品の在庫や売れ行きをコンピューターが管理し、処理するというもの。それをコンピューターが世間にまだ普及していない1970年代に行ったのです。コントラー制の導入にはもちろん初期費用はかかったものの、結果的に、人件費の大幅カットと流通の効率化を促しました。
また、ファッションセンターしまむらのバイヤーたちは、完全買い取り制という、他社の行っていない手法での買取も行っています。それは、仮に商品が売れなくても、ファッションセンターしまむらは、取引先に対し、値引き要求も返品もしないというもの。一般的に、販売側は、売れなければ返品したり値引き要求するのが常識ですから、ファッションセンターしまむらの「完全買い取り制」はまさにその常識を根底から覆したということになります。
結果的にしまむらは500を超える取引先を抱え、他社より良い条件で商品を仕入れることに成功しました。
さらに、ファッションセンターしまむらの各店舗では、オリジナル性の高い商品を多アイテムで仕入れて品揃えすることで、店舗の鮮度を新鮮に保つことも可能にしたのです。
いつしかファッションセンターしまむらの店舗数は1300店舗を越え、現在も堅実に成長をしつづけています。そこまで至る道のりの過程には、ファッションセンターしまむらの社員やパートたち独自のアイデアで築き上げた「他社に真似できないアイデア」の積み重ねがあったように思います。